うつ病に自分で気づいて対処するには
By: はみ
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Posted: 2022/12/24
1.うつ病の現状とストレス
① 日本の現状
・うつ病は、誰でもかかる可能性のある病気である。
・心配や過労・ストレスが続くとかかりやすくなる。
・うつ病を体験する頻度は、生涯約15人に1人、生涯有病率
(一生涯のうちでうつ病にかかる人の割合)は7.5%となっている。
・うつ病にかかっている人の1/4程度が病院を受診しているが、
残りの3/4は病状で悩んでいても医療を受けずにいる。
・うつ病は自殺と関係があるが、うつ病の予防や早期発見、早期治療が自殺予防につながる。
② こころの病につながるストレス事情
【職場】
就職・配置転換→上司・同僚との人間関係→過労
昇進→過労→仕事のトラブル、人間関係
いじめ、ハラスメント
【自営業】
事業不振→生活苦→多重債務→失業→再就職失敗
【無職】
病気→休職→退職→失業→生活苦
就職失敗→引きこもり
【家庭】
育児・子育ての悩み→夫婦間不和
家庭内暴力→離婚の悩み→生活への不安
介護疲れ→過労→病気
2.ストレスに気づこう
① 自分で気づく
自分のこころ、そして周囲の人のこころに今よりほんの少しだけ注意してみよう。
こころの疲れをキャッチし早めに心身のケアができれば、ストレス状態にある
こころのバランスをもとに戻すことができる。
② 過度なストレスに注意
過度のストレスにより心身にさまざまな悪影響が現れる。
「うつ病」や「不安障害」などのこころの病気や「心身症」のように
身体的症状として現れることもある。「高血圧」「糖尿病」「がん」など
の生活習慣病の発症にもストレスが関わっていることがわかっている。
3.うつ病を疑うサイン
① 自分が気づく変化
・悲しい、ゆううつな気分、沈んだ気分
・何事にも興味がわかず、楽しくない
・疲れやすく元気がない(だるい)
・気力、意欲、集中力の低下を自覚する(おっくう)
・寝つきが悪く朝早く目覚める
・食欲がなくなる
・人に会いたくなくなる
・朝方のほうが気分、体調が悪い
・心配事が頭から離れず堂々めぐりする
・失敗や悲しみ、失望から立ち直れない
・自分を責め、自分は価値がないと感じる
② 周りが気づく変化
・以前と比べて表情が暗く、元気がない
・体調不良の訴えが多くなる
・仕事や家庭の能率が低下、ミスが増える
・周囲との交流を避けるようになる
・遅刻、早退、欠勤が増加する
・趣味やスポーツ、外出をしなくなる
・飲酒量が増える
「ケチな飲み屋」サイン
職場でうつ病の可能性がある人の早期発見法をゴロ合わせでまとめたもの
医学博士 鈴木安名氏による
け
欠勤
ち
遅刻、早退
な
泣き言をいう ケチな飲み屋サインと身体症状が
の
能率の低下 両方ある人は専門家を受診しよう!
み
ミス、事故
や
辞めたいと言い出す
身体症状:眠れない、食べたくない、疲れやすい
4.なかなか自分では気づけないから --利用できるツール--
・労働者の疲労蓄積度自己診断チェックリスト
・家族による労働者の疲労蓄積度チェックリスト
・5分でできる職場のストレスセルフチェック
・COCOLOLO-カメラでストレスチェック&AIキモチ予報
スマホカメラに指先を30秒間当てて、10タイプのキモチ(ストレス・リラックスの傾向、お疲れ具合、
集中度等)を簡単に見える化するアプリ。
5.ストレスと上手につきあうために
ストレスを感じたとき、体調が優れないとき、自分なりのセルフケアの方法を持っていることが大切である。
6.うつ病が疑われたら
①自分がしたほうが良いこと
専門家(医師・保健師など)に相談(受診)しよう。
休養と、場合によっては服薬が必要である。
早期に対策を行うと早く回復する。
②周りがしたほうが良いこと
眠れなかったり、元気がなくて日常の仕事、家事が困難であれば休養と
治療をすすめて下さい。
うつがひどくても本人は気づいていないことも多い。
*本人が受診を拒否する場合は、本人が信頼している人(親戚、先輩、友人など)から受診をすすめてもら って下さい。
(引用・参考文献)
厚生労働省 うつ病を知る
厚生労働省 こころの耳
福島県 うつ病の身近な情報
働く人の健康のしるべ 中央労働災害防止協会編
こころの健康管理ブック 山本晴義 横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長監修
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