【お悩み】確認行為に時間がかかり、生活に支障がある。強迫性障害なのでしょうか。

太郎 By: 太郎 | Posted: 2024/02/07

【お悩み】確認行為に時間がかかり、生活に支障がある。強迫性障害なのでしょうか。
「何度も確認しても不安が消えない」「確認行為に時間がかかり、仕事や勉強に集中できない」こうした悩みを抱えている方にとって、確認行為は日常生活に大きな支障をきたしますね。そして症状がひどくなり、診察の結果、強迫性障害と診断されることもあると思います。

今回は、強迫性障害を克服するための有効な手段の一つである「行動指標を用いたエクスポージャーと儀式妨害(ERP)」に関する研究と私の経験談を紹介いたします。

ご参考情報としてお役に立てれば嬉しいです。

・強迫性障害について
症状について、厚生労働省生活習慣病予防のための健康情報サイトには「きわめて強い不安感や不快感(強迫観念)をもち、それを打ち消すための行為(強迫行為)を繰り返す。」と説明されています。
また、患者数について、NHK健康チャンネルによると国内の推定患者数は約100万人以上。ウィキペディアの強迫性障害のページでは「世界の人口の約2.3%は人生のある時点で強迫性障害を経験する。年間の患者数は全世界では約1.2%ほど。35歳以降で発症することは少なく、患者の半数は20歳以下で発症している。男性も女性も、ほぼ等しく発症する」と紹介されています。
発症した場合、生活の質が著しく低下する恐れがある身近な病気です。発症した場合は克服したいですね。


・克服への道
強迫性障害の患者における強迫行為の問題を克服するための有効な手段の一つに、行動指標を用いたエクスポージャーと儀式妨害(ERP)があります。これは、不安を誘発する状況を作り出し、その不安に対して患者が確認行為を繰り返すことなく耐える方法を学ぶ治療法です。

- 研究事例:克服記録
岡本直人氏の論文「確認行為がある強迫性障害患者に対するエクスポージャーと儀式妨害――行動指標を用いた技法の検討――」では、強迫性障害の患者を対象にERPを実施しました。
この研究では、落し物 への不安からバックの中身を頻繁に確認する行為を繰り返してしまう強迫性障害の患者に対して、バッグから紙を取り出し、それを捨させることを繰り返すことで、落とし物への不安を惹起させ、その前後に生じる確認行為を妨害するというERPを実施しています。

- 結果
ERPを実施することで、確認行為の頻度や時間が減少しました。その結果、日常生活における不安やストレスが軽減され、患者はより充実した生活を送ることができるようになりました。しかし、効果には個人差があり、すべての患者に有効とは限りません。今後さらなる研究によって、ERPの有効性と安全性を検証し、より多くの患者に効果的な治療を提供することが期待されます。


・私の経験談
- 就職活動と確認行為
就職活動の時期、内定が取れるかどうかという不安から、確認行為を繰り返していた時期がありました。まさに「きわめて強い不安感や不快感を持ち、それを打ち消すための行為を繰り返す」という状態でした。周囲が誤解するほどの頻度で確認行為を行っていたと思います。

- 不安の正体
原因は、得体の知れない不安だけが目の前にあったことです。内定が出ても、その不安からなかなか解放されず、企業側から取り消しされるのではと勝手に悩んでいました。

- 克服のきっかけ
そんな状況が好転したきっかけは、打ち込むことを発見し没頭できたことです。どんどんやることが増えていくにつれ、確認行為を自分で中断できるようになりました。その結果、次第に不安が小さくなり、最後には完全に克服しました。幸いにも通院するほどではありませんでしたが、克服するまで苦労した記憶があります。


・参考情報
岡本 直人. 確認行為がある強迫性障害患者に対するエクスポージャーと儀式妨害――行動指標を用いた技法の検討――. 行動分析学研究, 37(1), 30-38. (2022)
厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト
NHK健康チャンネル, 健康用語辞典
ウィキペディア, 強迫性障害

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